あの窓の向こう側
有馬先生に挨拶した波流君は、私の方を向いた。

「梨乃…」

『ん?どうしたの?』

「昨日、沙羅には俺らのこと言うといたから。そしたらその後、沙羅からメール来たんや。

あいつは、大丈夫やから。俺らのこと見守ってくれる。

あっ!それと梨乃のことが心配やから頻繁に連絡取りたいってようたで。」

『分かった。本当にありがとね。

病院では携帯は使えないけど、パソコンなら何とか使えるから。パソコンのアドレスを送っといてくれるかな?

波流君も、そのアドレスに連絡頂戴?』

「ああ!分かった!言うとくし、俺もそっちにメールするからな。

何かあったら言うてな。できる限り会いにくるけど…。」

『うん。ありがとう。待ってるから。』

そんなやり取りをしていると、いつものようにあの3人が割り込んできて、波流君の退院の寂しさはどこへやらって感じで、波流君は退院して行った。
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