あの窓の向こう側
『これが潤さんかぁ…』

潤さんを見るのは今日が初めてだ。黒髪で背が高くて、爽やかな感じ。

何か、波流君とは正反対というか…落ち着いた優しそうな印象だ。

潤さんの隣に写っている沙羅さんは、波流君と居る時や、私たちと居た時とはまた違って、すごく可愛い。

『ふふ…恋する女の子って感じ…♪』

沙羅さんのメールは、私にとても元気をくれる。友達とのメールってすごく楽しいな。

でも…うーん…波流君との写真かぁ…。私プリクラなんて撮ったことないし…増してや外に出られないし…。でも…それ以上に問題なのは…

波流君になかなか会えないこと…。

お仕事が忙しいのも分かってる…もうすぐ夏だもんね…。でもやっぱり…

『会いたいなぁ…』

溜め息混じりに本音がもれる。波流君に何日会ってないんだろう…。今までずっと毎日一緒だったから、すごい長い間会ってないみたいな感覚に陥ってしまう。
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