あの窓の向こう側
「そうなんか…。」

そう言って少し難しい顔をする波流君は、何て言えば良いか分からないって感じだった。まぁ、こんな重い話されたら当然だよね。と、私も落ち込みかけた所で、

「俺さあ…」

と波流君が口を開いた。

「俺…花火職人の見習いやってんねん。」

『え?』

…花火職人の見習い?

「俺の言葉聞いて分かると思うけど俺関西出身やねんけど、高校卒業したら花火職人の見習いやりたい思っとって、ほんで関東に出てきたんや。」

私は正直波流君は大学生なのかと思っていたから、職人の見習いと聞いてすごい意外だと思った。
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