あの窓の向こう側
「ったく…。まぁ、そうやな。やから何かあったらゆうてな?怒ったり束縛するつもりはないから。」

『分かった。ごめんね…。』

「別に謝らんでもええからな。梨乃は悪くないから。」

「なーんか…2人がいたらすぐ病室がピンクになるんだけど…」

「ほんとラブラブって感じね。」

3人は私と波流君を見て半ば呆れてしまっている。

『ご、ごめんね…皆…』

「別に謝ることないわよ。」

「そうやで!梨乃。お前らも恋人作ってラブラブすれば良いやん。」

そういえば楓さんは爽汰君が好きなんだっけ…。爽汰君や亮君はどうなんだろう。爽汰も楓さんのこと好きだと良いなぁ。

「よし!じゃあ梨乃!波流なんか放っといて俺とラブラブしよ♪」

急に爽汰君に肩を抱き寄せられた。

「あ!こら!爽汰!何やっとんねん!梨乃は俺のなんやぞ!」

私は、これはいつもの悪ふざけで、皆はそれを分かって笑っていると思っていた。心の底から素直に笑えない気持ちでいる人達が居ることに、私は気付けなかったんだ…。
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