あの窓の向こう側
「さ…さっきロビーで一緒に居たのが、彼氏ですか!?俺、負けないように頑張るので…!」
『い…あの…離して下さい…!』
そうやって手を振り解こうとしてもダメだった。怖い…危ない…そう思って男の人を突き飛ばし、逃げようと走った。だけど…
…ドクン…
『うっ…』
最近体調が良いから忘れかけていた苦しみが襲いかかってきた。急に走ったために発作が起こってしまったんだ。
ハァハァと荒い息を立てて胸を押さえしゃがみ込む私に追いついた男性が「だ、大丈夫ですか…!?」と私の腕をまた掴む。
ど…しよう…と意識を朦朧とさせながら助けを呼ぶ方法を考えていた。波流君…波流君…助けて…
私は、来てくれるはずもない波流君に必死に助けを求めていた。すると…
「おい!お前何やってんだよ!!梨乃から離れろ!」
そこへ爽汰君がやってきた。
『そ…た…く…』
涙目になって胸を押さえて苦しむ私を見て現状把握したのか、爽汰君は男性を殴り飛ばした。男性はすぐに逃げて行ったけどそんなことにはお構いなしで、
「梨乃!大丈夫か!?」
と私に駆け寄る爽汰君。そしてすぐに医者を呼んでくれたおかげで、何とか私は一命を取り留めた。
『い…あの…離して下さい…!』
そうやって手を振り解こうとしてもダメだった。怖い…危ない…そう思って男の人を突き飛ばし、逃げようと走った。だけど…
…ドクン…
『うっ…』
最近体調が良いから忘れかけていた苦しみが襲いかかってきた。急に走ったために発作が起こってしまったんだ。
ハァハァと荒い息を立てて胸を押さえしゃがみ込む私に追いついた男性が「だ、大丈夫ですか…!?」と私の腕をまた掴む。
ど…しよう…と意識を朦朧とさせながら助けを呼ぶ方法を考えていた。波流君…波流君…助けて…
私は、来てくれるはずもない波流君に必死に助けを求めていた。すると…
「おい!お前何やってんだよ!!梨乃から離れろ!」
そこへ爽汰君がやってきた。
『そ…た…く…』
涙目になって胸を押さえて苦しむ私を見て現状把握したのか、爽汰君は男性を殴り飛ばした。男性はすぐに逃げて行ったけどそんなことにはお構いなしで、
「梨乃!大丈夫か!?」
と私に駆け寄る爽汰君。そしてすぐに医者を呼んでくれたおかげで、何とか私は一命を取り留めた。