あの窓の向こう側
ここは…どこ…??

真っ暗で何もない世界だった…

皆はどこ??

波流君…どこ??返事して??

そう叫ぶけれど返事はない…

ふっと人の気配を感じ取って振り向くと

そこにいたのは…楓さんだった…

『楓さん!!』

そう呼んでみるけれど返事はない

楓さんにいつもの可愛らしい笑顔はなく、

無言で…キッと私を睨んでいる

『楓さん…??』

不安そうに見つめる私にくるっと背を向けて

楓さんはゆっくりと歩いていく

『待って!!!』

叫んでも楓さんはどんどん離れていく

私は怖くて寂しくて辛くて…

その場で涙をながしながら立ち尽くしていた

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