アイドルに愛されちゃったお姫様♪




――――――
そしてやってきたコンサートの日。


朝から落ち着かないあたしに、香織が言う。



「ちょっと落ち着きなよ…」

「だって…」


コンサートは夕方からだから、今は香織の家で遊んでる。


「あー、あたしも行きたかったなー!」


悔しそうに言った香織はじっとあたしを見る。


「まぁでも、楽しんできてね。優くん見て泣かないように」


「うん、大丈夫」


最近やっと、ファンとして優を応援できるようになった。


『好き』って気持ちは変わらないけど。


今でも、テレビや雑誌で優を見ると胸が苦しい。


だけど、泣かなくなった。

あたし、ちょっとは成長したよね。






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