アイドルに愛されちゃったお姫様♪
あたしの手を握ったまま少し前を歩く優の背中を見つめる。
熱のせいか、いつもよりもっとドキドキと心臓がうるさい。
「…優」
あたしのその声に、“ん?"と振り向いてあたしの顔を覗き込む優。
その瞬間、あたしの顔はボボボっと赤くなる。
「どうした?
顔真っ赤だぞ」
帽子にメガネで変装している優は、いつもと雰囲気が違う。
「…あ…手…」
握られたままの手が、さっきから熱い。
「え?…あ、ごめん」
そう言って手を離した優は、また前を向いて歩き出した。