アイドルに愛されちゃったお姫様♪
…やだよ。
本当は行ってほしくないし、ずっとそばに居てほしい。
でも、彼女でもなんでもないあたしがそんなこと言ったってどうしようもない。
それに優は仕事だから。
「…頑張ってね」
今のあたしには、そう言うしかないんだ。
「おう。…あ、美香の携帯に俺の番号登録しといたから何かあったら電話して。出れるかわかんねぇけど」
出てくれなくてもいいよ。
あたしの事心配してくれてるってだけで十分だから。
「でもなるべく出るようにするから。じゃあ、行ってくる」
「…うん、いってらっしゃい」
誰もいなくなったリビングで、優が作ってくれたお粥を味わいながら食べた。