はんぶんこ
窓の外ばかり眺めてたら、あの頃を思い出す。
わたしが、きらきらしてた、あの短い甘いあの頃を…。

ちょうど、2か月経ったかな。
あのじめじめと、蒸し暑かった、7月。

梅雨がまだ去らないこの気候に、うんざりしながら、
金曜日の体のだるさと、2倍にぐったりしながら、
3時間目の美術の授業を受けていた。

確か、刷毛を貸したんだったっけ…。

そのお礼を言うあなたの、優しそうな笑顔と、
人一倍良く通る声で、私は瞬殺…。

心に何かが通った。
目が、頭が、もう私の言う事を聞かなくなってた。


久々のこの感情に、嬉しさをおぼえる。


あなたは、このだるい私の体を、完璧にコントロールする。


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