はんぶんこ
顔が熱い…。

そんな私に構わず、いつもの優しい笑顔のあなたに
ほっと心がやすまった。

今晩、メールするね。と笑顔のままであなたは言った。

こんなに待ち遠しい夜は、今までにあっただろうか。
その後の、授業の先生の声も、
周りの、いつもなら耳障りな話し声も、
耳に入ってこない。


テスト前なのに…。
こんな心配と、焦りからか、
顔の熱がだんだん冷めてきた。

でも、私の脳の大部分を支配している
あなたの存在は、そう簡単には冷めない。

この後、指先の脈が治まったのは、
あれから数十分経った後だった。

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