(中篇)トライアングル〜貴方が居たから〜【完】
―琉聖 SIDE―
昼下がりの屋上。
校庭でジョギングしてるヤツらを見下ろしてると、「黒川先輩だ!」と聴こえた。
入り口の方向を見ると、愛斗と憂紀の従妹である…。
「…誰だっけ?」
「酷っ!望月海ーモチヅキウミーです」
「あ、そうだったね」
「覚える気、なさそーう」
海は唇を尖らせながら、手にしてたカフェオレのストローを銜える。
ちゅーちゅー飲んでると思えば、いきなりバッとこちらを向いて来る。
「何?;;」
「憂紀が妊娠したのは、先輩が原因かな?って…」
「妊娠を昨日、知った俺が相手なわけない」
「ですよねー」
…たく。
どうして俺を、父親に思い付いたんだよ。