(中篇)トライアングル〜貴方が居たから〜【完】
「すいません…」



「謝る事はない。皮肉でも、久々に会えて嬉しいしな」



…“皮肉”。

きっとおじさんは、俺と愛斗の父親の間で揺れてる。

どっちの味方にもなれずに。



「1年前らしいな。憂紀と夕姫が知り合ったのは」



「確かそうです」



“お兄ちゃんと遊ぶ!”って離れない夕姫を、愛斗ん家へ連れて行った。

夕姫は雑誌ばかり読んでたのを覚えてる。



「夕姫は、憂紀が琉聖を好きだと思って、取られると思ったんだろうな」



“取られる”―…。

夕姫の発想は、どこから来たんだ。
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