(中篇)トライアングル〜貴方が居たから〜【完】
憂紀の家に行く為、喫茶店を出た。



「おーい。俺に気付けや」



路駐された車から叫ぶ愛斗の父親。

同じ車だと思ってたけど、まさかおじさんとは…。



「今からお邪魔しようと思ってて」



「椎都と居るの見掛けたで」



「乗れや」と言われて、助手席に乗り込む。

暗い雰囲気の俺に、おじさんはため息。



「聞いたんやろ」



「はい…。けど、俺が謝る事じゃないって」



「そうや。憂紀に謝るのは夕姫ちゃんや」



謝罪しか思い浮かばない俺。

会っても何を話せば良いのかわからない。
< 19 / 108 >

この作品をシェア

pagetop