(中篇)トライアングル〜貴方が居たから〜【完】

―夕姫 SIDE―




初めて人に叩かれた。

しかも、好きな人に。

睨んでも、睨み返されて、お兄ちゃんは私の事を本当に考えてないってわかる。

それが悔しい。

…あの子ばかり何なのよ。



「そんなに憂紀が良い?」



「何が言いたい」



「私が惚れる男は、みんな憂紀が好きなのよ!!」



…どうして、お兄ちゃんまで取られないといけないの?

憂紀は私が欲しいモノを持ってる。



「私は…お兄ちゃんだけは絶対に渡さないッ!!」



もう、他の男なんていらない。

お兄ちゃんが居れば良い。

それだけで良い
< 39 / 108 >

この作品をシェア

pagetop