(中篇)トライアングル〜貴方が居たから〜【完】
―夕姫 SIDE―
初めて人に叩かれた。
しかも、好きな人に。
睨んでも、睨み返されて、お兄ちゃんは私の事を本当に考えてないってわかる。
それが悔しい。
…あの子ばかり何なのよ。
「そんなに憂紀が良い?」
「何が言いたい」
「私が惚れる男は、みんな憂紀が好きなのよ!!」
…どうして、お兄ちゃんまで取られないといけないの?
憂紀は私が欲しいモノを持ってる。
「私は…お兄ちゃんだけは絶対に渡さないッ!!」
もう、他の男なんていらない。
お兄ちゃんが居れば良い。
それだけで良い