(中篇)トライアングル〜貴方が居たから〜【完】
「お前、それ禁句やねんけど」



リビングに憂紀に続いて入ろうとした俺に、愛斗が投げ掛けて来た。

…“禁句”?

何で、太ったらいかん。



「さっきから何か確証に触れないな」



「まぁ…口止めされてるでな」



癪(しゃく)に触る。

隠し事とかムカつく。

中途半端に隠されたら、更に腹立つ。



「おかえり」



「ただいま」



おばさんが俺らにおにぎりと味噌汁をくれた。

ここの味噌汁は美味い。

出汁がちゃんと削り節で取られてるから。



「じゃあ寝るから、憂紀、お片付けよろしくね」



「わかった」



おばさんは「おやすみ」と、寝室へと行ってしまった。
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