(中篇)トライアングル〜貴方が居たから〜【完】
布団を掛けると、琉聖が手を掴んで来た。

キツく、簡単には離れない位に。

父親がリビングとダイニングの間仕切りを閉めて、ダイニングの方に行く。

気を使ったのかは、よくわからないけど。

私は琉聖の綺麗で大きな手を両手で包んだ。

自分は隠し事が嫌いなのに、まさか私の為に隠し事をしてるなんて知らなかった。

頭を撫でると、安心したような表情をする。

…パパ。

声に出せない言葉を、心の中で呟くと、お腹の中で赤ちゃんが動いたのを感じた。



「おやすみ…」



手を話して、リビングを出た。
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