(中篇)トライアングル〜貴方が居たから〜【完】
それでもまた、口を開いた。



「憂紀が死ねば、琉聖が手に入ると信じてんのや」



「だから、叔父さんに頼んだの?」



「そうや。下僕でも、単なる不良とか暴走族やないって思ってな。
案の定、ヤクザやろ」



「私は負ける気ないけど」



「せやったら…何で上戸に負けたんや。所詮、女は男の力に敵わんて証拠やろ」



痛いところを突かれ、反論の余地はなくなる。

守られる事が嫌いで、強くなろうと決めたのに負けた。

こんな私には、何も言えない。

説得力もない。



「夕姫が怖いやろ。もう関わるの嫌やろ」



「……」



出て来るモノは、涙だけだった。
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