(中篇)トライアングル〜貴方が居たから〜【完】
「それに、俺らも守りたいんだ。憂紀と子供を」



三日月が、カーテンの間から見える。

琉聖の言葉に、頑なに自分を強いと思い込まそうとしてた事に気付く。

“私は強い”―…
“私なら大丈夫”と。

上戸の腕を払えなかった私は、明らかに弱かったのに。



「いざとなれば、パパも居んで」



「…わかった」



素直に甘えよう。

ここは甘えるべきだ。

…ありがとう。



「泣かないの。ママが傍に、居るからね」



「ありがとう…っ」



私なんかを、守ってくれて。




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