(中篇)トライアングル〜貴方が居たから〜【完】
私を守ってくれる人。



「何よ」



「…この子は琉聖の子供なのッ!
あんたみたいな卑劣で最低なヤツに、何も言われる筋合いないから――ッ!!」



―――やっと。

やっと言えたんだ。

呆然としてる夕姫を放って駐車場へ行こうとすると、兄貴と琉聖が現れる。



「憂紀、よう言った!」



「もう良いだろ。俺は夕姫を妹してしか見てない。お前も、俺より良い男を捜すんだ」



琉聖が私の手を引いて歩き出す。

車に凭れて煙草を吸ってる父親と、私たちに手を振る母親。



「憂紀」



「ん?」



「付き合おう。俺と」



何でこの場所とタイミング。
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