(中篇)トライアングル〜貴方が居たから〜【完】
俺には無理だ。

夕姫を否定もした。



「お待た」



「牛タン、美味しそっ!」



戻って来た愛斗に微笑む憂紀。

可愛い。

本当に可愛いと思う。



「琉聖、なくなんでー」



「あぁ」



出会いって、恋って不思議だよな。

心を穏やかにするんだ。

さっきまで嫌な気持ちだったのに、スーッと引くんだ。

気が休まる場所があるなんて、知らなかった。

自然と求めてたんだろうな。

―――憂紀の隣を。

夕姫の事がなければ、気付かなかった想い。

運命って、皮肉だよな。




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