(中篇)トライアングル〜貴方が居たから〜【完】
封筒を二つ折りにし、ジャージのポケットにしまうと、母親は俺にコーヒーを出してくれた。

本題はこれからだ。

金は最初、自分で届けるつもりだったらしいから。



「夕姫がここ最近、無断外泊してるのよ。下着やメイクも派手になっては来てたけど…。何か知らない?」



咄嗟に過る、“下僕と体”という単語。

しかし、「さぁ?」と返した。

許せない自分がいて、“関係ない”と、突き放そうとしてる。

夕姫は妹だけど。

血は繋がってないけど、何一つ似てないから、手段がわからない。

あいつを変える方法が。
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