(中篇)トライアングル〜貴方が居たから〜【完】
―夕姫 SIDE―
賢作に怒られ、自分の愚かさに気付く。
それと同時に、彼に嫌われたくないと思う自分に、気付かされた。
私が養子である事や、お兄ちゃんが好きだと知ってても、告白してくれた人。
見掛けや普段はチャラいのに、根は真面目で、真剣になるとこは、とことん真剣。
下僕には、23歳のヤツもいるけど、20歳の賢作の方が大人だ。
この人と過ごして行けば、私は毎日を、良い人生に変えれるだろうか。
「賢作…憂紀に謝る…」
「それが良いな」
愛斗や私の話を聞いて、幻滅しなかったのか。
それは聞けない。
勇気がないんだ。