(中篇)トライアングル〜貴方が居たから〜【完】
お兄ちゃんは、私を妹だと思っててくれたのに、足りなくて。

どんな意味でも愛されたくて。

家族愛でも良いから欲しくて、あんな最低な事をしたんだ。

私は賢作に連絡はせずに、憂紀の家を目指した。

おじさんたちや、愛斗に追い返されてしまうかも知れない。

でも、みんなに謝りたい。

そして賢作に――会いたい。

ーーピンポーン

20時を過ぎてるから、全員が居そうで緊張する。
ーーガチャッ



「…はい」



出て来たのは、Tシャツにジャージと、軽装の憂紀。

この前より大きくなったであろうお腹。

私は、そこに居る赤ちゃんまで、消そうとしてたんだ。
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