(中篇)トライアングル〜貴方が居たから〜【完】
「夕姫。顔、上げてみたら?」



「え…?」



憂紀の背後に居る人。

愛斗にお兄ちゃんに…賢作。



「遅かったな」



「何で…居るの?」



予想外の展開に、頭がパニクる。

キョロキョロしてる私を立たせに来る彼。



「夕姫が本当にごめん」



隣で頭まで下げてくれる。

代わりに謝ってくれたの、二回目だよね。



「ごめんなさい…っ」



賢作に謝らせるなんて、最低だ。

自分がしでかした事を、関係のない人に謝らせて。



「良いよ。過去は変わらないし、琉聖が“父親になる”って、支えてくれてるし」



「ごめん…」



憂紀とは一つ違いなのに、大人だ。
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