(中篇)トライアングル〜貴方が居たから〜【完】
学校に着き、私はお兄ちゃんの教室へと向かった。
「お兄ちゃん!」
窓際の席に愛斗と座ってる。
「どうした?」
眠そうな目で私を見上げて来る。
愛斗は私を睨んでから、外に視線を逸らした。
全てを、知ってるからね。
「お弁当、届けに来たよ!」
でも、それも憂紀が悪いの。
私は悪くなんかないんだよ。
「あー、それ良いや。憂紀が作ってくれたし」
…“憂紀が作ってくれた”?
「へぇー…」
あの女。
“関わるな”って言ったの、わかってないんだ。