(中篇)トライアングル〜貴方が居たから〜【完】
「琉聖を捜すの」



「憂紀は1人の体じゃないでしょう――ッ!!」



「だからだよ」



「え…?」



「琉聖は、この子の父親。
黙ってここに居られない」



母親を残し、また歩き出す。

貴方が口を割らない為、携帯を耳に当てたまま、歩き続ける。



「いい加減、言えば?」



『早く見付けないと死ぬよ?』



「あんたが死にたくないから、言わないんじゃないの?」



小さい男。

こんな弱々しい男には、虫酸が走る。



『駅の裏通りの雀荘。1人で来いよ』



「女相手にダサいね」



電話を切り、雀荘に向かう。

1人で行くわけがない。
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