(中篇)トライアングル〜貴方が居たから〜【完】
私は1日は安静と言われ、翌日にはトイレにも立てるように。

コソッと琉聖を見に行ってみた。

顔色は戻ってて安心。



「あいつを刺したんは、夕姫の下僕やったみたいや」



「そっか…」



兄貴から聞いて、“また夕姫…”と思ってしまった。

許そうと思っても、切り離せない過去に胸が痛んでしまう。

私と兄貴とは違う兄妹という関係が怖い。

悲劇が繰り返されないとは、言い切れない自分が怖い。

琉聖は夕姫を信じてるからこそ、帰ろうとした筈なのに、彼女の私が信じないなんてダメだよね。

罪悪感に、押し潰されそうになる。
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