ライン
警告

「名取、ちょっと…」


「なんですか?」


「あのさ、前から言おうと思ってたんだけど」


「はい…」


「言いにくいんだけど…」






おそらく

人と人の間には一本の線が存在して

それが

低いか、高いか、

そんな定義

どこにもない


一歩

たった一歩

踏み出すだけで

簡単に折れたり

曲がったり

時には掠れたり


とても微妙で曖昧な

なんの意味もない

右と左を行き交う為に出来た

吊り橋のようなものなんだ







「あっ!もしかして告る?だったらムリムリ!アタシ好きな人居るから」

< 1 / 60 >

この作品をシェア

pagetop