ライン

「そろそろ帰るか」


「おぅ。これこっちの分な、じゃぁ俺、タクシー拾っておく」




どうしよう…

方向逆なんだよなぁ…
一緒に乗ったら変だよね…


アタシが必死に考えてるのを余所に、店長と羽田さんは会話を終えようとしていた。





「あ、そいや、この間、上からこっちの店舗にそっちから一人異動させてくれって通達来てたけど」


「あぁ、俺も見た。でも、こっちも厳しいんだよなぁ…」




もしかして

もしかしなくてもチャンス?

2人の会話に今すぐにでも挙手したい。


でも、それはまだ入って半年のアタシには無理な話しだった。

一緒に帰るのも無理。

せめて一緒に働きたい。
その願いが叶ったら、きっと…

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