ライン
人影
「取り敢えず、明日電話するわ」
「分かった」
そんなやり取りをした後、店長と羽田さんはまだ話してたけど、一緒に帰れないと分かったアタシにはどうでも良くて
そそくさと店を出て、外に居たバイト組の何人かとタクシーに乗り合わせで帰宅した。
ただ、無理と分かってても羽田さんの店舗に行ける事だけを願った。
もしかして
店長もアタシが無理だと分かっても願いたかったのかもしれない。
そんな事を思いつつ携帯を開く。
待ち受けには、今から半年前に撮った写真がある。
半年前
準社員として入ったアタシは、研修生として羽田さんの店舗に行った。
その時、研修が終わった日に同じ研修生と羽田さんと並んで撮った大切な一枚。
それを眺めながら眠りに就いた。
次の日、願いが叶うなんて夢を見て。