ライン

「あのな…」


「はい…」





店からは明るく接客する声が響き、厨房からは忙しそうな声が聞こえてくるのに

ここだけは嫌な雰囲気が漂っていた。
重苦しくて、生暖かい空気。


店長は長い溜め息を吐き、ごくんと息を飲む。
その瞬間、覚悟を決めたアタシは次の仕事をどうしようか、と言う脳に切り替わっていた。





「来週から羽田の店舗に行って欲しい」


「はい…って、え?!」



嘘…

嘘だよね?




「引き継ぎとかあるから、出来れば数時間でいいから明日から来て欲しいって言ってた」




嘘じゃないんだ…

羽田さんに会える…

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