ライン

「とにかく、羽田だけは止めておけ」




アタシが口を開く前に店長が制した。

三度目の忠告。


それは、女の存在を匂わせてるかのようだった。

だけど、女の存在なんて有って無いようなもの。




「はい」



アタシはそう応え、店を後にした。

他に応えようがあるなら教えて欲しいくらいだ。


食い下がっても何にもならない。

ただ喧嘩して、お互い腹が立つだけ。

そうなれば、アタシの立場なんか微塵に砕けるし、店長も上としての立場に居づらくなる。

ましてや、異動の話しをしている上でそうなれば、会社としても問題になってしまう。

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