ライン
邪魔

「名取さん、ちょっといいかな?」


「はい」


「この店の毎年の行事でね、来週、花見があるんだけど、名取さんも参加してね」


「はい…」





帰り際、石井さんに声を掛けられ、アタシは話しを上の空で聞きながら石井さんを上から下まで眺めていた。

白のワンピにボーダーのスキニーと言う出で立ち、悪くはないがパッとしない。

足もペディキュアしてないし、手はもちろんだが、なんだか子供くさい手をしてる。

顔なんて化粧っけもないし、髪は綺麗に纏めてるけど、なんとも味気がない。


そして、肝心のスタイルもややポッチャリ…な気がする。

こんな人のどこがいいんだろ。

< 21 / 60 >

この作品をシェア

pagetop