ライン
接近
「居た居た!まぁ~探したわ」
「お疲れ」
花見当日。
それは最悪な始まりだった。
みんなが集まり、それぞれが用意をし、やっと座ろうかとしたその時に阿部店長がやって来た。
羽田さんの隣に座ろうとしたアタシをさり気なく避け、当たり前のように座る。
もう一方の隣はクーラーボックスが陣取り、座れる隙間などどこにもない。
最悪すぎる…
でも、そんな事に負けては居られない。
お酒を注ぐ時に割り込めばいい。
「お酒足りてますか?」
「こっちはいいから、バイトのほう行って」
阿部店長には聞いてません。
「羽田さん、どうぞ」