ライン
彼女
「羽田さん」
「ん?…あ、先にこれ置いてきていい?」
小さなトレイに載せられた小さな土鍋。
アタシの返事を聞く事もせず、羽田さんはトレイを持って部屋へと消える。
その様子に思わず嫉妬してしまう。
そんな小さな嫉妬をしても仕方ない事なのに、これからも時折してしまう嫉妬に複雑な気持ちを抱いた。
「お待たせ。メールの事?話しがあるとか」
そう言いながら、羽田さんはタバコに火を点けようとしたが、なぜか箱に戻す。
子供に気を使ってるんだなぁ…
そう思ったら、気持ちが溢れてどうしようもなくなった。