ライン


「羽田さん…」



「うん?……ちょい、近すぎない?」





羽田さんの横

太ももに手をそっと置いて

ただ目を見つめる

その目には、紛れもなくアタシが映ってる






「好き…」




「俺、彼女居るよ?」






絡んだ視線

イタズラに笑う顔

振り解かれない手


次の言葉なんか要らない

その隙間に入ればいい


大きな胸に顔をうずめて

広い背中を手でなぞる


ゆっくりと離れて見上げる

それだけで


男は墜ちる。



見つめ返す目

深く吐いた息


アタシの手を掴む大きな手で

その後が分かってしまう



羽田さん…

すき…


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