ライン
「ごめん」
「え…な…んで」
「気持ちは嬉しいけど、それに応える事は出来ないよ」
想像もしなかった言葉だった。
あともう少しの所で高い壁が出来たみたいに
アタシの想いは突き飛ばされてしまった。
羽田さんはアタシの手を丁寧に戻し、席を立って向かい側に座り、タバコに火を点ける。
「彼女が好きなんですね…」
「うん」
「一番にですか?」
「うん」
「その次は?」
「ごめん。そうゆのも考えられないし、考えたくない」
こんなにも羽田さんに好かれている女が憎くなった。
そんな好きなら、アタシはその女を超えてやる。
絶対に。