ライン

「落ち着いたらタクシー呼んでやるから、自宅に帰ったほうがいい。親御さん心配してるだろうしな…」



「…さんは」


「ん~?」


「阿部さんは…知ってて…アタシを連れて来たんですか?」


「そうだけど」



「なんでそんなことするんですか…?」






阿部さんがアタシを突き落とした…


誰にも止める権利はないはずなのに



なんでそこまでっ



「…っ!」



勢いよく投げ付けたグラスが音を立てて散らばった。




「どした、大丈夫か?」


「あぁ、ちょい手滑った。わりぃ」





部屋から顔を覗かせた羽田さんに、何事もなかったかのように阿部さんは返した。

そしてポツリと言う。



「子供かよ…」

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