ライン
阿部さんの話しには思い当たる節が幾つもある。
あの朝礼の時、佐々木さんは右足を少し引きずり、口元には少し大きな絆創膏が貼ってあった。
羽田さんの右手にも絆創膏があったのを覚えている。
あの日、アタシが佐々木さんに言ったから、羽田さんは石井さんの為に…
アタシがあんな事言わなければ…
今更、後悔しても遅かった。
阿部さんの話しはまだ続いていた。
それは、とても惨めで滑稽にさせる内容だった。
「アイツ、彼女に告白された時、めっちゃテンパって俺に電話して来て「付き合うって言っちゃった」って、すっげ爆笑したけど
俺が知ってる限り、あんな浮かれたアイツ見た事ないよ」