ライン

悔しい


あんな人に負けた…


アタシのほうが可愛いのに

アタシのほうがスタイルいいのに

アタシのほうが…




「…っ!」





捨てたられた空き缶を蹴飛ばしたら、空き缶は転がるだけで、遠くまで飛んで行かなかった。

それは、まさに今の自分を表してるようで、余計に惨めになってくる。





「名取!」


そう呼ぶ声に振り返るアタシ。
駆け寄ってくる羽田さんに、昔のドラマを重ねていた。

でも、上手く行くのは飾られた遠い世界の出来事で



「送ってく」と羽田さんは言い、アタシの隣に来て歩き出した。

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