見せかけのヤンキー彼氏君
「…たくっ~ひでぇ~女だ…」



桐生君は立ち上がって…倒れた脚立を立てて…床に散らばった本を拾い集める。




私は放心的に床に座り込んでいた。



「たまたま…通りかかって…急に地震が来て…お前落ちそうになったから…助けて
やったのに…」



桐生君はブツブツ…文句を呟く。



「……」




私もようやく…気を取り直して…立ち上がった。




桐生君は脚立なしでも手を伸ばして…本を棚に入れていく。








< 64 / 102 >

この作品をシェア

pagetop