彼氏は吸血鬼!?

でもそんなに悩むなんて、なっつーにとって制服はそんなに大事なコトなんだね…。

まぁでも、それぐらいじゃ、海陽高校行きたいとか言うハズないよね。

あたしがあきらめかけていた、その時。


「決めた!! あたしも、海陽高校にする!!」


と言う、なっつー。

……。

…えぇぇぇぇっっ!?

せ、制服だけに何ランクも下の高校にしちゃうの!?

マジで!?


な、なっつーの考えてることは、いくら幼稚園からの付き合いでもわからん…。

でもあんなに頑固ななっつーが海陽高校の制服だけで簡単に決めるなんてな…。

逆に、ホントにいいの!?

ってカンジだよ…。

おそるべし、海陽高校の制服!!


まぁ、きっかけはどうあれ、あたしはなっつーと一緒の高校に行けるんだ!!

やったぁ♪


うれしくて、つい雨の中をスキップしちゃった。

そんなあたしを呆れ顔で見てくるなっつー。


…あ、いつもは自転車だけど、今日は雨だから歩いて登校中。

ちょっと道のりは遠いけどね。



あたしが、ちょうど曲がり角に差し掛かった時。



ドーン!!



誰かとぶつかった。

あたしは水たまりの中へバッシャーン!!

すると、ひざに痛みが走った。

見ると、すりむいてて血が出てた。


「…っ。いったぁい…。」


水たまりにハマって制服はビショビショだし、ひざはズキズキ痛いし、もう最悪…。

ぶつかった相手に文句を言おうと顔をあげた。
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