彼氏は吸血鬼!?
「…っごめんっ!! 大丈夫?」
ぶつかった相手は、あたしにそう言った。
ぶつかったの、男の子だったんだ…。
「血ぃ出てるじゃん!! ほんとごめんね?」
そう言って、その男の子はあたしの顔をのぞきこんだ。
…!!
超イケメンじゃん!!
少し茶色がかかった髪は、男子にしては少し長いほう。
目も二重できりっとしてる。
男子慣れしてないあたしは、めっちゃドキドキしてしまった。
「…あ、だ、大丈夫です…。あたしだって、こんな雨の中スキップしてたのが悪いんだしっ…」
なっつーに支えられながら起きたあたしはそう言った。
すると男の子は、フッと笑った。
…え? なんで笑うの?
今、笑うようなこと言ったっけ? あたし…。
「なんで、雨の中でスキップなんかしてんの?」
あぁ、そういうことか。
り、理由…。
『かしこい友だちが、アホなあたしと一緒の高校に行ってくれることになったからです!!』
とか…?
だ、だめ…。
こんな恥ずかしいこと、言えませぇん…。
「えっ…っと、うれしいことがあったもんなので…。えへ」
と、とりあえず笑ってごまかしてみた。