彼氏は吸血鬼!?
あたしは要君に名前を呼んでもらえるという嬉しい出来事があったから、もう幸せの頂点にいた。
だから、いらないことまで口走ってしまったんだ。
「要君って、彼女いるの?ほら、あの日、本屋で会った…」
途中まで言って、ハッと思った。
ばっかじゃないの!?ばっかじゃないの!?ばっかじゃないのぉ~!!??
何聞いてんのよ!!
「…あぁ、本屋でも会ったっけ。あの彼女とはもう別れた」
う、うそ…。
お似合いのカップルだと思ったのにな。
ま、好きな人がフリーだとうれしいけどね。
あ、まただ…。あたし、こんな性格だったっけ…?
だけど、次の瞬間あたしの思惑はカンタンに、きれいに取られてしまった。
「…でも今、また新しい彼女、いる」
「…あ、…そ、なんだ」
「うん。んじゃ、また明日」
「…うん。ばいばい」