彼氏は吸血鬼!?


でも、それは絶対無理!!

だって…


「ねぇ、なっつー? なっつーの第一志望の高校ってどこだっけ?」

あたしが聞くと、

「あれ? 前に言わなかったっけ? あたしは星南高校だよ」

…!!

あ、あそこって、ここらへんじゃ一番かしこい高校では…。

「ね、ねぇなっつー? か、考え直してみなよ。そんなかしこい高校でビリなんかになるより、もう少しランク下げて、その高校で一番になる方がいーんじゃない? 例えば…海陽高校とか?」


それを聞いたなっつーは、顔をしかめた。


「げっ…。そこって、この辺じゃ2番目くらいにバカなんじゃないの? あ、1番だっけ?」


…失礼な。

そこ、あたしの第1志望の高校なんですけど。

よ~し。こうなったら、もうあれしかない!!


「でもさ、なっつー? 星南高校、かしこいけど制服地味だよぉ~? ブレザーだけど、グレーのスカートに、リボンもネクタイもなし!! そんな地味な制服、オシャレさんのなっつーはいやだよねぇ~?」


星南高校に通っているみなさん、ごめんなさい!!

地味を連発しちゃいました!!

でも、ホントになっつーってオシャレなんだ。

ほら、今日だってなっが~い髪の毛を、横の部分だけ残してきれいにリボンでおだんごに結んでるし。


「うっっ…。た、確かにそんな制服はヤだけどぉ…」


よし!!

やっぱりなっつーはこういうのに弱い!!

ここで一気にたたみかけるあたし。


「でしょでしょぉ~? でも海陽高校だと、夏は赤、冬は青のチェックのスカートとリボン!! あれはめっちゃかわいいよねぇ~」


ちらっちらっと、なっつーの様子を伺いながら言うあたし。

あらら。

そんなこわい顔してうならなくても。

せっかくの美人な顔が台無しですよぉ~。

まぁ、そんなに悩ませてるのは、あたしなんだけどね。


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