いぢわる外科医
「はいはい」
「もぉっ!」
「フフッ、でも貴方…」
「……ぇ?」
二葉先生は突然真剣な眼差しになり、あたしの顎を持ち、親指で私の唇をツウーと撫でた。
突然のことで全く状況が理解できない。
でもその艶やかな瞳に心を奪われているのは確かで…
心臓の音がドクンドクンと大きくなる。
なに?
なにを言おうとしてるの?
逸る想いが頭の中を飛び交う。
二葉先生の強い目力に堪えられなくて目を逸らそうとするも
あたしの目は完全にその漆黒の瞳に捕らえられていて、逸らすことなんてできない。