いぢわる外科医
突然二葉先生に肩を押され、先生から離される。
あたしの肩には二葉先生の腕。
その腕には未だ力がこもっていて
あたしの動きを制限する。
さっきまでは見ることが出来なかった二葉先生の顔。
それが今では真正面にある。
黒目がちな子犬のような瞳は
あたしの瞳を捕らえて離そうとしない。
その強い瞳に意識を奪われていた時、肩にあったはずの二葉先生の腕があたしの後頭部に回り、グッと引き寄せた。
強く重なった二つの唇。
それらはまるで互いを求めあうかのように
激しく重ね合う。