スクランブルLOVE
1章,別れ
夕暮れ時で
人の出入りの多い午後5時頃
僕は彼女に呼び出され
渋谷駅前にいた
渋谷駅――
ここは2人にとって
思い出深い場所
二人がつきあい
始めた所なんだ
人が激しくすれ違う
スクランブル交差点を前に
僕は彼女に告白した
そんな記念のような
場所なんだ
「あ、」
僕は改札を出て
辺りを見回す彼女を見つけた
急いで来たのか
心なしか柔らかいパーマの黒髪が
浮きはねているようにみえる
「おい」
反対に行きかけた彼女に
呼び掛ける