色に香りに摩訶不思議



「お~い、ばかハサマ? 馬鹿、おバカ? 大丈夫?」

 ――あぁ~もう! ヒトのこと、馬鹿ばかバカ言いやがって! ちょっとイジメてやる!

「救急車呼んでください。顔面痛くて目が開けらんなくなりました。後頭部強打してノウシントウを起こしました」

「うん、分かったわ。今すぐ霊柩車を呼んであげるわ」

「って、生きてるし!!」

「何だ、やっぱり何ともないんじゃん」

「食えないカマボコだなぁ」

「だから、あたしをカマボコって呼ぶな!! それに、乙女をつかまえて食えないとか、それ、セクハラだし」

「え? カマボコってさ、女子だったの? あんまりカマボコ板だからさ、てっきり女装男子かと思ってた」

「バカ……馬鹿……あたしの気持ち、少しもワカンナイくせに……」

「は? カマボコの気持ち? 夕月カマボコ美和の気持ち?」

「ばか、バカ、馬鹿ぁ~!! 大っ嫌い!!」


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